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ママテク(@mamateku)ライターのMeow-Meowです。
これからママになる準備をするなかで、「陣痛促進剤」というのを聞いたことがある方も多いと思います。
しかし、陣痛促進剤と聞いただけでは、一体どういうものなのか分かりませんよね。
私は実際に陣痛促進剤を使い、出産をしました。
今回は、陣痛促進剤を使うと決心するまでにお医者さんから聞いた説明、実際に使ってどうだったかを項目ごとにまとめて書いてみました。
これから誘発分娩をしようか迷っている、全然知識がないから決心できない、などという方にぜひ読んでいただきたいです。
「健診で何も異常はなかったから関係ない!」「一人目のときは何もなかったから大丈夫!」と言う方もいるかもしれません。
しかし、出産というのは、様々なトラブルがつきものです。一人目、二人目、三人目とそれぞれで全然違った出産になることもあります。
たとえば何も異常はなかったとしても、微弱陣痛などでなかなかお産が進まない、出産予定日を過ぎてしまい誘発分娩をしましょうと言われた…などといったときに陣痛促進剤を使うかどうかお医者さんから決断を迫られます。
陣痛で苦しいとき、出産を目前にして不安になっているときに、正常な判断ができるかどうか心配ですよね。
今のうちから、陣痛促進剤について知っておき、心の準備をしておくといいかもしれません。
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パッと読むための目次
陣痛促進剤はどんなときに使うの?
陣痛促進剤とは、名前のとおり、子宮収縮を促すことで、陣痛を促進させてお産を助ける薬です。
薬というと「お腹の赤ちゃんに影響があるんじゃ?」と不安になるかもしれませんが、出産した人の40%がなんらかの形で使用したというデータもある、安全な薬です。
私の周りでは、最近ママになった友人5人のなかで1人が「私も促進剤使った!」という人がいました。
さらにもう一人
主に陣痛促進剤が適応されるのは、次の状態になった妊婦さんです。
- 前期破水
- 微弱陣痛
- 分娩予定日超過
前期破水の場合、破水したところから細菌などが入りやすく、破水後48時間を過ぎると感染症のリスクが高まるといわれています。
なので、陣痛促進剤を使って赤ちゃんを早く出してあげるようですね。
微弱陣痛では、陣痛が何時間も、ときに何日も続いているような場合はお母さんの疲労が心配されます。
疲れすぎるといきむ力がなくなってしまうので、お産がなかなか進まないようであればお医者さんの判断で陣痛促進剤が使われます。
予定日を過ぎたからといって必ず使われるわけではありませんが、予定日を大幅に超過すると、胎盤の機能が低下したり、赤ちゃんが大きくなりすぎたりと難産になるリスクが高まります。
その場合も陣痛促進剤を使うかどうか、お医者さんと話し合ってから進めていきます。
筆者が陣痛促進剤を使うことになった経緯
私は身長が150cm以下で、低身長というリスクに該当していました。
身長が低いと骨盤も小さい可能性があり、赤ちゃんが通り抜けられない場合があるのです(レントゲンで骨盤の大きさと胎児の頭の大きさを比べるという病院もあるようですが、私の通っていた産院ではしていませんでした)
予定日1週間前の健診でそういう説明を受け、夫と三日間考えた結果、陣痛が来るのを待たないで陣痛促進剤を使い産むという決心をしました。
『誘発分娩』や『予定分娩』などと言われるのですが、最近ではさほど珍しいことではないようで、私が医師に決心を伝えると
陣痛促進剤は2種類ある
まず陣痛促進剤は点滴と内服薬(飲み薬)に分けられます。
- ポリスタグランジンE2(内服薬)
- オキシトシン(点滴)
- PGF2a(プロスタグランジン)(点滴)
内服薬のほうがゆっくり効いていき、効き目が持続するというイメージです。ですので、緊急性のない誘発分娩などで使われます。
オキシトシンは一番ポピュラーな陣痛促進剤です。点滴投与することによって、子宮収縮を促します。
オキシトシンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、産後赤ちゃんと触れ合ったり、授乳したりすることによっても分泌されます。安全性の高い薬と考えられています。
PGF2a(プロスタグランジン)はオキシトシンよりも強い効果が期待できるものです。
一見、内服薬のほうが安全なのかな、と思うかもしれませんが、内服薬だと、1錠飲んでしまうと取り出すことができず、調節が難しいです。
人によっては弱い薬でも子宮収縮が強くなってしまうこともあります。
一方、点滴だと微量から投与し始め効き目を見ながら増量していきます。投与をやめると、すぐに効果がなくなるのも特長です。
どの薬を使うかはお母さんと赤ちゃんの体調や経過を見ながら、お医者さんが一番良い方法を判断してくれます。
また、人によっては効きやすい、効きにくいと個人差がかなりあるようです。使ってみてダメなら別の薬に変更するということもあります。
病院によって、別の名前の薬を使っていることもあるかもしれません。
どれも安全性が確認されており、安心して使うことができるはずですので、もし「どれがいい?」と聞かれたら、それぞれの薬のメリットデメリットをよく聞き、選んでくださいね。
筆者が使った陣痛促進剤の種類
誘発分娩をすると決心してから、主治医の説明を聞きに行きました。
それぞれの薬を詳しく説明してくれ
実際に使ってみると、オキシトシンでは有効な陣痛が来なかったので、PGF2a(プロスタグランジン)に切り替えることになりました。
PGF2a(プロスタグランジン)はかなり強い効き目があらわれたのですが、同時にある副作用が出てしまいました。
その内容については、次の項目で詳しく説明していきます。
陣痛促進剤は副作用はないの?リスクは?
赤ちゃんの命を預かっている妊娠中、とくに出産をひかえナーバスになっているときは、薬と聞くと副作用や影響を心配するのは当然のことと思います。
まず、陣痛促進剤で考えられているリスクは、
- 子宮破裂
- 赤ちゃんへのストレス
この二つがあげられます。
子宮破裂なんて聞くと怖いですよね。しかし可能性としては非常に低いので、必要以上に怖がらなくても良いと思います。
また、「陣痛促進剤を使用したから起きる」というわけでもありません。
子宮破裂は子宮の収縮が強くなってしまうことで起きるものなので、通常の分娩(自然な陣痛)でも起きる可能性があることです。
お医者さんや助産師さんが、常にお腹につけたモニターで収縮の強さをチェックしているので、通常であれば強くなりすぎることはないといえます。
陣痛が長引くと、赤ちゃんにも圧力がかかってしまいストレスになることがあるようですが、これも通常の分娩と同じです。
子宮口がなかなか開かない場合、ラミセルやミニメトロといった子宮頸管を拡張させる器具を使います。
また、破水するとお産が進みやすいことから、被膜といって人工的に破水させる方法もあるようです。
これらの方法をうまく併用し、お医者さんや助産師さんみんなが協力して安全かつ迅速に分娩が進むようにしてくれます。落ち着いて、深呼吸をして、臨みましょう。
筆者が体験した陣痛促進剤の副作用
実は私の場合、予想しなかった副作用が強く出てしまいました。それは「吐き気」です。
はじめにオキシトシンを使ったのですが、お腹が張る程度であまり効果がありませんでした。
次にPGF2a(プロスタグランジン)を使ったところ、オキシトシンよりはお腹の張りも規則的に強くなり、陣痛が誘発されたようでした。ところが、投与開始3時間経った頃から吐き気を催すようになったのです。
そのうち、5~7分間隔の陣痛のたびに戻してしまうようになり、水すら受け付けなくなって体力を消耗してしまったので促進剤の投与を中止しました。
2時間ほどして薬が抜けきったところでオキシトシンに変更したところ、陣痛は続いていましたが吐き気はだいぶ楽になりました。
どうやらPGF2a(プロスタグランジン)が私の体質に合わなかったようです。
出産というのはさまざまなトラブルがつきものです。病院のスタッフも吐き気くらいでは「よくあること」といって動じないのですが、私は「陣痛→吐き気→陣痛→吐き気」と休みなく訪れるので死ぬほどつらかったのです。
モニターの数値では分からない変化もあるので、お医者さんや助産師さんとよくコミュニケーションをとることが大事です。
陣痛促進剤の費用は?
予定していなかった入院で心配なのが費用面です。
出産にかかる費用は保険適用外なものが多く、市町村から交付される健診チケットや出産一時金は大助かりですね。
しかし、陣痛促進剤や点滴を使った場合、その費用はプラスで負担しなければなりません。
トータルで出産一時金内におさまる場合もあると思いますが、いくらかかるのか、事前に知っておくと安心できます。
陣痛促進剤の費用だけでいえば、だいたい1万円前後と考えておくと良いかと思います。
『どんなときに使うの?』で書いた前期破水・微弱陣痛・予定日超過という理由から陣痛促進剤を使うのであれば、保険適用となる場合が多いようです。
希望して予定分娩や誘発分娩をする場合は保険適用外となり、ベッド代や食事代は別にかかります。
つまり考え方としては、「このままではお母さんの身体が危険!」という場合は保険適用、都合により促進剤を使う場合は保険適用外ということになります。ただ、病院によってさまざまですので、確認してみると確実です。
私は「費用はどのくらいになりますか」と単刀直入に尋ねました。すると「コミコミ1万円です」と中古車販売のような回答が返ってきました。
私の場合、リスク回避のため希望しての誘発分娩だったので保険適用外だと言われました。
1日入院し、陣痛促進剤を投与しながら様子をみるという流れなのですが、入院費は別として「誘発分娩にかかる費用が1日あたり1万円」ということでした。
この「1万円」の中には、陣痛促進剤はもちろんのこと、その他点滴類やモニター(分娩監視装置)での監察費用なども入っています。
薬が増えるたびに費用も増えていく…のではなく、どんな種類の薬を使っても費用は同じだったので安心できました。
病院によっては、薬を追加するごとに費用が加算されていくところもあるので、事前に確認しておくといいと思います。
陣痛促進剤を使ってみた結果…
私が陣痛促進剤を使った結果を書いてみたいと思います。
薬の効き方には個人差があり、また病院によって方針も異なるので、同じようにはいかないと思いますが、少しでも参考になればと思います。
入院
私の場合は誘発分娩だったので、入院するために朝早くから産院に行きました。もちろん、入院準備と分娩準備を万全にして。
薬の効き方は個人差が大きく、とくにまだ陣痛がきていない方の場合、陣痛促進剤を投与してもうまく陣痛が誘発されるかどうかは五分五分と言われました。
投与開始(オキシトシン)
いざオキシトシンの投与が始まり(薬は生理食塩水の点滴に混ぜて使われる)、はじめはゆっくりとしたペースで入って行きます。
定期的に量を増やしていきましたが、何も起きず出されたお昼ご飯をぺろりと平らげてしまいました。
夕方には点滴が終了し、1日目は少しお腹が張るくらいで終わりました。
投与開始(PGF2a(プロスタグランジン)
2日目はPGF2a(プロスタグランジン)に変更し、同じように投与を始めました。
すると、なんだか規則的にお腹が張る…もしや陣痛?と思っているうちに痛みが強くなり、同時に吐き気が出てきました。
お昼はなんとか食べましたが、午後になると痛みと吐き気の波に交互に襲われました。
受け皿を顔の横に置いたまま痛みに耐えていると、お医者さんから
それから少しすると、点滴がはずされました。
誘発された陣痛
薬によって陣痛は誘発されたものの、間隔は10分で本格的とはいえませんでした。一晩様子を見ましたが、変わらず…。
無事に出産!しかし…
結局その後丸一日かかり、やっと産まれたわが子は、『新生児呼吸不全』と『新生児感染』によってNICUに運ばれていきました。
どちらも大したことはなく、よくあることで大事をとって2~3日入院という形でした。
「赤ちゃん、疲れちゃったんだね」と言われましたが、それが薬による影響なのか、長引く陣痛によってだったのかは分かりませんでした。
まとめ
私の体験を読んで、これから陣痛促進剤を使おうと考えた方も、やっぱりやめとこうと思った方もいると思います。
結論から言うと「陣痛促進剤を使ってよかったな」と私は思いました。
むしろ薬の追加を断っていなければ、あんなに陣痛が長引かず赤ちゃんも入院することはなかったのかなと少し後悔しました。陣痛が長引けばお母さんの体力も消耗しますし、ずっと圧力がかかっている赤ちゃんにもストレスになります。
薬を使うと副作用が出たり、短時間で痛みが増したりとお母さんは辛いと思いますが、お産が早く進んでいる証拠でもあります。
自然が一番だとは思いますが、お産が思うように進まないときは、思い切って医療の力を借りることも大事なのだなと思いました。
赤ちゃんが無事に産まれてきてくれるのが一番です。
私も出産の機会があれば、あまり方法にはこだわらず、病院スタッフや旦那さんを信頼して身をまかせてみようと思います。
以上、今回は陣痛促進剤について書かせていただきました。
あくまで私の場合なので、個人によって、また病院によって多少の違いは出てくると思います。ですが、いざという時にあわてないためにも、「陣痛促進剤ってこういうものか」という参考になればと思います。