【体験談】全前置胎盤の診断から入院~出産まで…。こんな妊婦生活を送りました

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はーまま

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2015年10月に全前置胎盤の危機を乗り越え男の子を出産しました。 現在は専業主婦をしながら育児の合間にライティングのお仕事をしています。 育児は楽しいことも山ほどありますが、悩みやストレスもつきものです。 どんなことに喜びを感じるのか、悩みの解決法などありのままの情報を発信していきたいと思います。

ママテク(@mamateku)ライターのはーままです。

前置胎盤という妊娠中の病気をご存知でしょうか。

まだまだ知らない人がほとんどの前置胎盤は、とてもハイリスクで怖い病気です。

私はこの前置胎盤の診断を受けてから出産を経験しました。

想像をはるかに超えた妊婦生活のすべてをご紹介していきたいと思います。

前置胎盤の診断は、突然サラッと…

妊婦健診は毎回とても楽しみでした。

どんどん大きく成長している我が子の姿を見ることが出来る唯一の時間です。

その日の妊婦健診では、初めてお腹からのエコーを行う日で、エコー中にも嬉しすぎて笑いがこみ上げてしまったくらいです。

エコー中には、「最近どう?」などたわいもない話をワイワイとお喋りをする先生がとあるタイミングで静まり返った瞬間がありました。

前置胎盤だね~でも、まだ良くなる可能性があるからそこまで気にしなくてもいいよ~

サラッと前置胎盤という診断がくだりましたが、先生の表情や口調からしてもそんなにたいしたことはないだろうと軽く考えていました。

その時の診察時には、“前置胎盤”ということについて詳しい話は聞けませんでした。

というのも、前置胎盤が一体何なのか、どれほどの危険があるのか全く分からなかったので、一体何を質問すればよいのかが思いつかなかったのです。

前置胎盤ってどんな病気?

前置胎盤とは、胎盤の位置が通常よりも低い場所に位置しているという状態です。

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正常な妊娠の場合、子宮口から最も離れた上部に胎盤が作られます。

しかし前置胎盤の場合、子宮口から近く(辺縁前置胎盤)や子宮口に一部が触れている(一部前置胎盤)、子宮口を完全に覆っている(全前置胎盤)状態です。

全前置胎盤が前置胎盤の中で最もハイリスクで次に一部前置胎盤、辺縁前置胎盤と危険度が低くなります。

出産は、

  1. 陣痛が起こる
  2. 子宮口が開く
  3. 赤ちゃんが出てくる
  4. 胎盤が剥がれて出てくる
このような流れです。

しかし、前置胎盤の場合、子宮口を胎盤で塞いでいる状態なので赤ちゃんが出てくる出口がないのです。

このようなことから、前置胎盤の場合の出産方法は帝王切開のみです。

ただ、前置胎盤は多くの場合、妊娠週数が進みお腹が大きくなっていくと改善される場合がほとんどで、胎盤の位置が上部へ移動して子宮口から離れれば前置胎盤ではなくなります。

そして、前置胎盤の最も怖い症状が突然の大量出血が起きやすいということです。

なんの前触れもなく何リットルという量の出血が起こる危険性があります。

無事に出産を終えるまでは気を抜くことは出来ないとても危険な病気なのです。

前置胎盤の診断後の心境とは?

私は妊娠24週の時に最もハイリスクな全前置胎盤の診断がくだりました。

ただ、週数も浅くお腹が大きくなるにつれ胎盤の位置が上がる可能性も十分にあったため、きっとなんとかなるだろうと思っていました。

しかし、インターネットで調べれば調べるほど悪い情報しか目につかずだんだん不安を抱えるようになりました。

あるサイトで、「前置胎盤は宝くじに当たるよりも確率が低い」という情報を目にしました。

なぜそんな確率の低い病気に私が当てはまってしまうのか…本当に運が悪いなという気持ちが本音でした。

前置胎盤と分かったら、すべてのことにおいて無理をしないということが大切です。

前置胎盤にお腹の張りは大敵でお腹の張りが原因で出血が起こる可能性があるため、とにかくお腹を張らせないようにすることが大前提です。

私は前置胎盤だと分かるまでフルタイムパートの事務員として働いていました。

毎日仕事をしながら、家事もこなし忙しい毎日を送っていたのです。

しかし、徐々にお腹の張りを感じる頻度が多くなったため、仕事を辞めて絶対安静生活をすることになってしまったのです。

絶対安静生活のスタート

前置胎盤にお腹の張りは禁物です。

お腹の張りが頻繁に起こるとそれが原因で出血を起こすきっかけにもなります。

お腹の張りを起こさないためにも絶対安静生活を送って赤ちゃんを育てることが最も大切なことです。

絶対安静生活とはどこまでの安静度なのか?と疑問思いますよね。

絶対安静生活とは、必要最低限以外は寝たきりでいるということ、つまりトイレや食事以外は体を起こさないということです。

外出はもちろんのこと、家事も行ってはいけません。

出来るならば食事も寝たきりのままの方が望ましいという状態なのです。

私は、仕事を辞めた次の日から自宅と実家で約1カ月の絶対安静生活を送りました。

朝起きたらリビングのソファに移動して、夫の出勤を見送ってからは寝ながら1日中テレビやスマホを見るだけの生活です。

夫は1日仕事をしながら、休みの日には掃除をしたり、出勤前に洗濯をしたりと慌ただしく毎日を過ごしていました。

食事は近所に住んでいる義母が毎日届けてくれたものを食べます。

自分は何もせずに寝ているだけで、夫や義母が動いてくれます。
とにかく申し訳ないという思いがこみ上げてきて仕方ありませんでした。

警告出血が…緊急事態発生から病院の転院へ

毎日ひたすら安静にしていてもまさかの出血がありました。

大量出血ではなく、ショーツにほんの少しだけつく程度でしたが、これを“警告出血”と言います。

警告出血とは、このままいくと大量出血が起きるかもしれないよという体からの警告です。

前置胎盤を抱えている場合には、ごくわずかな出血が分かった時点ですぐにかかりつけの病院に連絡をしなくてはいけません。

休日であっても深夜であっても、場合によっては診察に行く必要もあるくらいです。

私はそこまでひどい出血ではなかったため、診察時間内に受診することと指示がありましたので、出血の翌日に受診しました。

診察では、出血の確認、お腹の張りを測るための検査を行います。

検査の結果、大きな出血は見当たらないが、お腹の張りが週数に見合ってない程ひどいため、大きな総合病院への転院が決定しました。

通院していた病院は、個人クリニックでしたので万が一の対応も不十分な可能性があります。

市内の大きな総合病院には、産婦人科はもちろんのこと新生児集中治療室(NICU)の設備がありますので、早産にもすぐに対応することが可能でした。

総合病院であっても、NICUの設備が整っていない病院もあります。
その場合には、ママと赤ちゃんが別の病院で治療を受けるという可能性もあります。

転院の次の日には入院へ

警告出血があったため、すぐに転院の手続きがとられました。

新しい病院でこれまでの経緯や診察を受けた結果、出来れば即日入院、遅くても次の日には入院が必要ですという診断でした。

あまりにも突然の入院宣告に辛くて怖くて、改めて前置胎盤という病気を恨みました。

その日の帰りに、いけないとは思いながらも薬局やスーパーを回りながら入院生活に必要な物を慌てて準備しました。

長い入院生活のスタート

妊娠27週の時に長い入院生活がスタートしました。

私の場合には、警告出血があったため入院生活を余儀なくされましたが、出血がない場合や、お腹の張りがない場合には、入院を必要としない場合もあります。

入院生活がスタートすると同時に、お腹の張り止め点滴を始めて、24時間お腹の張りをコントロールしていきます。

点滴をスタートしたら出産当日までは絶対に止めることは出来ません。
どんなことがあっても体に流し続ける必要があるのです。

出産日のおおまかな目標は37週頃です。

ただし、前置胎盤を抱えた妊婦さんの多くは37週までもたない場合が多く、早産になりがちです。

特に警告出血が起きている場合には、いつ大量出血が起きてもおかしくなく、大量出血が起きた時点、もしくは起きそうだと判断された時点で即帝王切開で赤ちゃんを取り出します。

入院中はどんなことを行う?

前置胎盤に限らず、早産の可能性がある妊婦さんには赤ちゃんの肺の成長を促す注射を行います。

入院生活が始まってから初日、次の日と2回お尻に注射を打ちます。

そして、週に1度血液検査を行い、点滴の副作用や貧血が起きていないかなどを調べます。

私の病院では、月曜日の早朝にベッド上で採血が行われました。

起床が6時でしたが、6時前に順に看護師スタッフが採血をして回ります。
起床時間ではないので、部屋は真っ暗ですが、ベッド上の照明をつけて起きたか起きてないか分からないような状態での採血です。

前置胎盤の場合、大量の出血が起こる可能性が非常に高いです。

そのため、突然の大量出血に備えて事前に自己血を貯めることも行います。

自己血とは、自分の血液のことをさします。献血のようにあらかじめ血を体外に貯めておいて出血が起きた場合に体に戻せるようにするのです。

この自己血の用意が間に合わない場合には、輸血の処置を行うこともあります。
輸血自体は安全でほとんど問題はないとは言われていますが、それでも他人の血液ですので感染症の危険がゼロではありません。

自己血の場合には、自分の血液を戻すだけなので、より安心出来ます。

私の場合は、400CC×2回分の自己血を貯めましょうと医師から指示が出ました。

1回に400CCを体から抜いて別の日に2回目を行います。
貧血を予防するための鉄の注射を毎日のように体に流す処置を受けていました。

入院生活でのストレスについて

入院中は自宅での絶対安静生活よりも更に厳しい生活を送ることになりました。

トイレ以外は基本寝たきりなのは変わりありませんが、シャワーも毎日入れるわけではなくお腹の張りが多い日には落ち着くまでお預けです。

座って本を読んだり作業することも極力控えるように注意を受けます。

寝ている状態が最もお腹に負担をかけない体勢なのです。

体は元気なはずなのに、動くことを許されない生活は本当にストレスになります。

1日中寝たきりの生活を1週間していると、みるみるうちに筋力は衰えていき、落ちた物を取ろうとしゃがむと、自力で立ち上がることが出来ないほどです。

情けない気持ち、なんでこんな目に合わなくちゃいけないのかという気持ち、早産への恐怖、赤ちゃんへの申し訳ない気持ち、様々な気持ちで常にモヤモヤしていました。

入院中には、これ以外にも大きなストレスがかかりました。

孤独との戦い

妊娠中の入院は、孤独との戦いでもあります。

自宅安静では自宅に来てもらえれば友人でも家族でも自由に会うことが出来ます。

しかし、入院中には面会時間も決められていますし、大部屋の場合には入れ替わり立ち代わり誰かが来るということを極力避けなくてはいけません。

夫も仕事帰りや休日にはちらほら来てくれましたが、仕事や友人との付き合いもありますし、休日には家の掃除や溜まった家事もしなくてはいけません。

そうなると1日中医療スタッフ以外とは話をしないなんて日も当然出てきます。

看護師、医師と1日のうちでも数回必ず様子を見に来てくれますが、それでも5分、10分で仕事に戻ってしまいます。

大部屋の妊婦さんも挨拶程度はしますが、基本カーテンを閉めっぱなしの状態でしたので、孤独でした。

先の見えない毎日…

切迫早産や妊娠中毒症などで入院している妊婦さんの退院出来る週数は36週でした。

36週は早産の時期ではありますが、正期産と同じ程度まで赤ちゃんが育っている状態です。

36週になった日にお腹の張り止め点滴から離脱してその日に陣痛がこればそのまま出産、陣痛が来なければ退院という流れでした。

前置胎盤の場合、36週に入ったからと言ってすぐに帝王切開での出産が出来るわけではありません。

医師の判断にもよりますが、正期産である37週までもたせようとする医師、37週よりも先までもたせようとする医師様々ですので、出産日という終わりの予測が出来ません。

出血や陣痛が起こってしまうギリギリの状態になってから帝王切開日が決まるのです。

他人との共同生活

私が入院していたのは、4人の大部屋でした。

家族以外の他人との生活はとにかくストレスでした。

最も注意をしなくてはいけないのは、“音”問題です。

何かの袋を開ける音、物を落とす音、ベッドの上げ下げの音、日常生活では全く意識しなかった生活音を抑える必要があります。

自分が出す音に気を遣うだけではなく、他の妊婦さんが出す音が気になって仕方がない時もあります。

特にストレスなのがいびきです。消灯時間を過ぎると部屋の中は一気に静まり返ります。
自分が先に寝てしまえばよいのですが、なかなか眠りにつけない時にいびきが始まると本当に苦痛以外ありません。

大部屋である以上どんなことでもお互い様です。

しかし、個室に行くには金銭的にも厳しくひたすら我慢するだけの毎日でした。

前置胎盤は帝王切開時にも危険がある

入院生活が始まってから2カ月ほど経った頃です。

入院してからは出血を起こすことなく、赤ちゃんも順調に大きくなっていました。そして、36週を目前にして帝王切開の説明がありました。

前置胎盤は、正常の位置ではない部分に胎盤が作られています。

なので、赤ちゃんをお腹から取り出す際に胎盤が綺麗に剥がれにくいという場合があるようです。

胎盤を剥がす処置をする際には大量出血を起こす可能性もあり、その出血が止血出来ない場合には、子宮を全摘しなくてはいけないこともあります。

これは、お腹を開いてからではないと予測が難しく説明の段階では何とも言えないとのことでした。

ここまで無事に我が子をお腹の中で育てられたことは本当に嬉しいですし、出産日も目前となってきました。

けれども、最悪子宮を全摘するような事態になれば、もう2人目を妊娠することも出来ません。

何とも言えない複雑な思いでした。前置胎盤という病気は最後の最後まで厄介な存在だなと思いました。

最終的に妊娠36週と2日に出産日が決まりました。
出血が起きたわけではありませんでしたが、これ以上長引かせるのは危険と判断されたようです。

無事に帝王切開にて出産

帝王切開の朝を迎えました。

前置胎盤という恐怖と帝王切開への恐怖がありましたが、母は強いというのでしょうか、しっかりと睡眠はとれました。

しかし、帝王切開がスタートすると、不思議と涙があふれてきました。

まだ我が子は産まれて来ていないけれど、なんとか無事に出産日を迎えられた、辛かった入院生活に終わりを迎えられる、そんな思いでいっぱいでした。

肝心の我が子が生まれた時には、それまでに泣きすぎて涙は全く出ず(笑)しかし、とにかく自分の子供がこんなに可愛いなんてと思ったのは忘れません。

気にしていた胎盤も綺麗に剥がすことが出来て問題ありませんでした。

最後に

入院生活がトータルで2カ月弱です。前置胎盤は様々な恐怖を抱えながら毎日を過ごすことになります。

しかし、どんな時でも赤ちゃんのことを一番に考えること。このことさえ忘れなければ必ず乗り越えることが出来ます。

辛い妊娠生活を送り、無事に産まれて来てくれた我が子は可愛さが何倍、何十倍にも感じられます。

妊娠出産は本当に奇跡です。そう神様は私に教えてくださったのかなと実感させられました。

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