丸美子
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ママテク(@mamateku)ライターの丸美子です。
出産は素晴らしいことですが、女性の体にとって大きなダメージをともないます。
病院に入院している間は、看護婦さんが母子ともにケアしてくれますが、退院後は自己管理が必要となります。
自宅に戻ると、はじめての育児でも二人目であっても、自分の体調はさておき、赤ちゃんのお世話や育児に没頭してしまい、体調不良を引きずってしまうことがあります。
ただし、自分の体調管理を後回しにしていると取り返しのつかないことになってしまうこともありますので、産後におこりやすい体調不良とその原因、セルフケア、医師に相談した方がよいケースなどを紹介します。
パッと読むための目次
産後におこりやすい体調不良は?
赤ちゃんを出産後に現れやすい体調不良としては、
- 体のだるさ
- 疲れやすい
- 微熱
- 頭痛
- 肩こり
- 腰痛
- 髪が抜けやすい
- 足がつりやすい
- むくみ
- 感情の起伏がある
自然分娩であっても帝王切開であっても、新しい命を出産したことにはかわりなく、ママの体はかなりのダメージを受けています。
傷口だけではなく、目に見えない子宮や骨盤に急激な変化がおとずれており、元どおりになるためにはかなりの時間がかかります。
安静にしなくてはならない時期ですが、赤ちゃんのお世話をする他の人がいない場合、体調がもとに戻っていないのにも関わらずママは無理をしがちです。
その無理が体調不良を改善するどころか、悪化させる原因ともなりかねません。
赤ちゃんの体調の変化はもちろんのこと、自分自身の体調の変化についても気にかかることがあれば医師に相談しましょう。
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では、どうして産後に体調不良がおこりやすいのか?
これから7つの原因とセルフケア方法や対処法について説明していきます。気になることがあれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。
産後の体調不良をおこす原因①自律神経の乱れ
出産後に体調不良が続く原因として考えられることのひとつは「自律神経の乱れ」によるものです。
はじめての育児の疲れやとまどい、不安、または不規則になってしまう生活によって自律神経の調子が狂うことがあります。
自律神経が乱れることでさまざまな体調不良をひきおこすことがあるので
- 子どもを預けることができるときには遠慮なく預ける
- なるべくストレスをためない
など健康的な生活を心掛けるようにしましょう。
産後の体調不良をおこす原因②骨盤の変化
出産時に骨盤が大きく開くことで、赤ちゃんが体外に出てくることができます。
通常の状態とは異なる骨盤の動きとなるため、もとの位置に戻るまでには約半年程度かかることになります。
もちろんその間に無理することはご法度です。ただし、安静にしていたとしても戻るときに骨盤が歪んでしまうことがあります。
自分では骨盤が歪んでいるのか?元通りに戻っているのか?わかりづらいのですが、歪んでいる場合には体調不良として現れることがあります。
具体的には、骨盤が歪んでいる状態では血流が悪くなる可能性があり、体が冷えやすい、または太りやすい(体系が戻りにくい)、疲れがたまりやすい、肩こりや腰痛があるなどの症状があります。
体調の不調があれば医師に相談することが一番良いのですが、赤ちゃんを預けての受診が困難な場合にはとりあえずのセルフケアとして、骨盤ベルトをすると痛みが軽減することがあります。
または、赤ちゃんの健診のときに相談するのもよいでしょう。
乳児健診は赤ちゃんのことだけ相談できると思っている方も多いのですが、産後のママの体調管理についてもいろいろと相談にのってくれますよ。
それでも痛みや不調が続くようであれば、今度こそ病院へ行って医師に相談してみてください。
産後の体調不良をおこす原因③ホルモンバランスの乱れ
妊娠すると、女性ホルモンであるエストロゲンとプロストゲンが急激に増加します。
そして出産を機にその女性ホルモンは急激に減少し、替わって母乳の分泌を促すプラクチンが増加します。
これらの異なるホルモンが急に入れ替わることでバランスがとれずに体調不良として現れることがあります。
具体的には、抜け毛や体の疲れ、むくみをおこしやすくなることがあります。
これらのホルモンの分泌については、妊娠と出産、母乳の分泌など、赤ちゃんを出産するにあたっては避けては通ることができないので、女性ホルモンに似た働きをする食材を摂取することで補うことをおすすめします。
出産後は、エストロゲンに似た働きをすることで知られる豆乳イソフラボンを積極的にとるようにしましょう。
産後の体調不良をおこす原因④排便の不調
自然分娩の場合に受けることが多い「会陰切開」ですが、その傷が治癒していないときには便意があっても、いきみにくくなりがちです。
それを繰り返していくうちに便秘になってしまったというお話をよくききます。
また、授乳期間中は通常よりも水分が失われるので便がかたくなりやすく、排便に苦労することも。
あまりにつらい場合には病院を受診することも可能ですが、まずは水分を多くとるようにする、食物繊維を積極的にとるようにする、軽い運動をするなど、セルフケアで対処してみましょう。
軽い運動とは室内でできるものやウォーキングがおすすめですが、産後で弱っている体に無理は禁物です。
無理しない範囲でセルフケアを行い、それでも改善が見られない場合は、医師に相談するといいかと思います。
産後の体調不良をおこす原因⑤貧血
妊娠時に医師から貧血気味だと診断された方ママも多いでしょう。症状が重い場合には、鉄剤を処方されたかもしれません。
妊娠している間は、体内の赤ちゃんに酸素や栄養を送るために大量の血液が必要になります。
そのため貧血を起こしやすくなるのですが、妊娠後期になればなるほど血液内の鉄分が必要となります。
これは分娩時にむけて体が準備をはじめた証拠でもあります。
では産後は大丈夫なのかというと、そうではありません。
なぜなら母乳はママの血液からできているため、授乳している間はやはり貧血になりやすくなります。
病院で鉄剤を処方されるまでではない場合でも、座った後に急に立ち上がらない、鉄分を多く含む食材を積極的にとるなどセルフケアを怠らないようにしましょう。
おすすめは、レバーや豚肉、牛肉、モツ、カツオなどの動物由来の鉄分です。
これら動物由来の鉄分には、ヘモグロビンの生成のために必要なたんぱく質も多く含まれているため相乗効果を期待できます。
また、一緒にビタミンCをとると、さらにタンパク質の働きを促進することができます。
食事を作ることが困難な場合には、手軽に飲めるサプリメントもおすすめです。
反対に、できれば妊娠・授乳期間中は避けてほしいのは、カフェインや鉄分の吸収を妨げるタンニンを多く含むコーヒーです。
最近ではカフェインレスのコーヒーも販売されているので、妊娠・授乳期間中はそちらを選ぶようにしましょう。
また、症状がひどい場合には我慢しないで、医師に相談しましょう。鉄剤ではなく、漢方を処方されることもあるようです。
産後の体調不良をおこす原因⑥乳腺炎
授乳しているママに気を付けてほしいのは乳腺炎です。
乳腺炎(急性うっ帯性乳腺炎)はその名のとおり、乳腺がつまることなどで炎症をおこすものです。
特にはじめての出産後にみられ、母乳の通り道である乳管が十分に開いていない、赤ちゃんの母乳を吸う力が弱いために、母乳がつまっている可能性があります。
おっぱいが張って痛くなったり、微熱が続くこともあります。
乳腺炎になってしまう原因のひとつにはママの食生活もあるといわれており、脂っこいメニューやいわゆるジャンクフードはなるべく控えた方がよいでしょう。
軽度な乳腺炎であれば、食生活の見直しや十分な休息またはマッサージで改善する可能性があります。
積極的に授乳し、まだハリがあるのに赤ちゃんが飲み残してしまったら、搾乳するなどして母乳が残らないように気をつけてみてください。
高熱が続く、痛みが強い、赤く腫れ上がるなどの症状が見られた場合にはすみやかに病院で受診するようにしましょう。
産後の体調不良をおこす原因⑦産後うつ
体調面での不調はもちろんのこと、気分の落ち込みが続いたり、気力がなくなるなどの精神面での不調をともなうのが「産後うつ」といわれるものです。
最近ではよく耳にするようになった「産後うつ」ですが、核家族化が進む中、なかなか周りの人に気づいてもらえず悪化してしまうこともあるので、ここでは「産後うつ」について詳しく説明していきたいと思います。
産後うつとは?
出産後にあらわれる気分の落ち込みや気力がなくなるなどの症状は、実は経験したママも多いのです。
なんでもないことで涙が止まらなくなったり、情緒が不安定になることもあります。
一般的には、出産後約2週間ほどでこれらの症状は落ち着き、あとから考えると「なぜそのようになったのか?」自分でも理解できないこともあります。
これは、マタニティーブルーともよばれ、女性ホルモンの急激な変動(先のホルモンバランスの乱れでとりあげました)が関係しているのではないかといわれています。
ただし、このような状態が改善せずに数カ月以上に長引いている状態を「産後うつ」と診断される場合があります。
女性ホルモンの変化だけではなく、はじめての育児による精神的なストレスや、仕事をしていたときの生活から産休育休の生活への変化によるストレスなどが原因である場合もあります。
- 悲しい気持ちが続く
- ゆううつな状態が続く
- 気力がわかない
- この場からいなくなりたいなどの願望がある
- 眠れない
- 食欲がわかない⇔過食しすぎる
- 頭痛や耳鳴りがする
- 母親として自信をもてない
などの症状があらわれます。
頭痛などの身体的な不調があれば、周りからも気がついてもらいやすいのですが、気力がわかないなどの状態を理解してもらうことは難しく、ただやる気がない、さぼっているだけだと誤解されてしまうことさえあります。
産後うつになりやすいタイプ
実際に出産を経験したり、そのときの環境によっても異なるので、一概に誰が産後うつになりやすいのか?はわかりませんが、もともとの性格上では傾向があらわれています。
真面目で頑張りやな人、几帳面な人、完璧主義な人は、思ったとおりにならない育児に強いストレスを感じることがあります。
また、予定外の妊娠によって出産した場合や、妊娠中に予想外のストレスがあった場合など、精神面の急な変化によって強いストレスを抱えてしまうこともあります。
産後うつかも?と思ったら
産後うつの状態を自分自身が気づくことは難しいものです。
気分が落ち込み、家事や育児をする気力がない場合、たいていできない自分を責めたりして、さらにつらく感じてしまいがちです。
でももしあなたが、育児をしながら赤ちゃんに申し訳ないとかなしく思ったり、いなくなりたいと感じることがあったら、あなたも産後うつにかかっている可能性があります。
そのようなときには病院を受診するか、育児経験のある人や信頼できる人に話をきいてもらうなどしてみてください。
相談することは決して悪いことではありませんし、はずかしいことでもありません。
なにより赤ちゃんのために、そして自分自身の気持ちが楽になるためにもっとも必要なことは、誰かに話を聞いてもらうことです。
産後うつにならないために
産後うつにならないためには、自分の気持ちに耳をかたむけることが必要です。
「ママだったらこうあるべき」という理想論はどこかに捨ててしまいましょう。
はじめから完璧なママなんて存在しません。むしろ、何人子どもを育てても完璧なママになれた!という人はいないのではないでしょうか?
完璧を目指すことをやめて、嫌なことはイヤ、手伝ってほしいことはパパや周りの人に頼むようにしてみてください。
赤ちゃんの気持ちと自分の気持ちを大切にしてくださいね。
- 1人ですべてこなそうと思わないこと
- ママの気持ちや体調に耳をかたむけること
- 赤ちゃんとママが笑顔でいられるようにすること
これらに気を付けて、育児を楽しみましょう!
産後に気になるようになった悩みについて
産後のママの体に不調をおこす原因についてお話してきましたが、その他にも出産後に「肌質が変わった」とか「抜け毛が気になるようになった」という声をよく聞きます。
ここでは「髪」についてお話しておきたいと思います。
出産には大きなエネルギーが必要です。そしてそのエネルギーは、女性の体にさまざまな変調を及ぼします。
そのひとつに抜け毛があります。
中でも産後の抜け毛は多くのママが経験しているようです。髪のコシやツヤがなくなり、髪質が変わってしまったというママもいます。
これには先にお話したように、女性ホルモンの変化が関係しています。
出産を終えると、それまで急増していたプロゲステロンやエストロゲンという女性ホルモンが、急速に減少していきます。
これらの女性ホルモンは、毛髪を生成し成長し続けさせる働きを促進します。
また、これらのホルモンによって妊娠中は本来抜けるはずの毛髪が抜けずに生き残っている場合があります。
そして産後になって寿命が過ぎても残っていた毛髪が一斉に抜けてしまうのです。急に抜け毛が増えたような気になり、驚く場合もあるでしょう。
産後の抜け毛は一時的なもので、産後半年から1年程度でおさまることが多いようです。
ホルモンのバランスが整ってくれば落ち着くので、あまり心配しなくてもよいケースがほとんどですが、赤ちゃんが産まれたことで生活は一変しますし、育児に追われて自分の食事もままならないこともあるでしょう。
そのようなストレスが続くと髪の毛を生成する毛母細胞に栄養がいきわたらず、抜け毛が改善しない場合もあります。
毛髪も十分な睡眠や栄養がないと生育できません。疲れたときには休息をとれるように努力しましょう。
産後の不調に気づくことが大切
妊娠や出産は女性の体にさまざまな影響を及ぼします。新しい命を産みだすパワーは大きく、ママの体力も消耗してしまいます。
その回復はすぐにはできず、しばらくかかってしまうのが普通です。
その回復期にはじめての育児に悩んだり、体力的に無理をしてしまうと体が耐えられずに不調をおこしてしまうこともあります。
「赤ちゃんがいるのだからしっかりしなければならない」などと自分を追い詰めてしまうことがもっともよくありません。
赤ちゃんを産んだばかりなんだから、いろいろできないことがあって当たり前。調子が悪いなと感じることがあったら、パパや周りの人に助けてもらいましょう。
自分の体のことは自分が一番わかってあげられるはずです。不調を感じたらセルフケアをおこなったり、病院で医師に相談してみましょう。