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ママテク(@mamateku)ライターのMeow-Meowです。
産後クライシスの大きな原因のひとつに、「パパの育児貢献度の低さ」があります。
妻のお腹が大きくなると「太ったなあ」などと無神経なことを言ったり、妻の里帰り中に遊び呆けたり、出産予定日が近いのに飲み会などの遊びの予定を入れたり…という夫の行動に対しての妻の怒りの声をしばしば耳にします。
女性は、10か月の妊娠期間を経て「母親になる」という実感を得ることができますが、自分の身体に変化のない男性は、「父親になる」という実感がわきくにいものです。
「子どもが産まれればきっとイクメンになってくれる…」というわけでもありませんし、「父親なんだから!」「ちゃんとしてよ!」と一方的に責めるのは得策ではありません。
では、一体どうしたらパパはイクメンになってくれるのか…?
筆者は自身の経験から、パパがどんなタイプか、どんなキャラクターなのかを見極めることがイクメン育成の重要なポイントとなることが分かりました。
筆者は、妊娠中から「大きな長男」だと思って夫を育てました(笑)
ゲームだと思ってもいいです。これは、イクメン育成ゲームです。
今回はイクメン育成に重要なポイントを挙げながら、我が家のイクメン育成法を伝授いたしますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
パッと読むための目次
【スタート】新米パパは『新人バイト』
筆者が会社に勤めていた頃、子供が生まれてパパになったばかりの上司がこう言っていたのを覚えています。

育児について、やる気はある。しかし、やり方が分からない。
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そんな状況を「新人バイト」に例えるのは、言い得て妙だなと感心しました。
冒頭にも書きましたが、女性は妊娠・出産を通じてママになる実感を得て、出産後、病院にいる間からパパよりも一足先に母親業を始めています。
産後、実家に帰省していれば、さらにスタートに差が出てきます。
育児というのは、男性にとって未知の領域です。
出産すると自然と母乳が出るような身体の変化がある女性とは違い、何も変わらない男性にとって、産まれた赤ちゃんは「よくわからない、可愛い生き物がやってきたぞ!」という印象なんですね。
ママだって、はじめは右も左も分からなかったはず。
病院で看護師さんや助産師さんに指導してもらい、実家で経験豊富なお母さんから学び、育児書やママ友から情報を得て、だんだんとできるようになっていったのです。
家ではママが先輩です。
ママよりスタートが遅れてしまって、知識も経験も未熟なパパには、新人バイトに教えるかのごとく、優しく丁寧に教育してあげましょう。
仕事で後輩や新人に教えた経験のあるママは、そのときのことを思い出してみて。
はじめから即戦力になるパパはなかなかいません。ママの教え方次第で、だんだんと使える人材に育っていくでしょう。
Level.1【どんなタイプ?】パパの性格に合ったやり方で個性別指導を!
イクメンにもいろんなタイプがいる
B:自分なりのタイミング・やり方で行動したいタイプ
AのパパとBのパパは、一見正反対ですが、どちらもイクメンだとします。
しかし、Aタイプのパパに「それくらい見れば分かるでしょ!」「言われなくてもやって!」と曖昧な指示を出すと、オロオロしてしまいます。
Aタイプのパパには
- お昼寝の時間だから、おむつが濡れていたら替えてちょうだい
- 離乳食の用意おねがい。朝はパンだったから、お昼はおにぎりね
「なぜそうするのか」を合わせて端的に説明し、何回かくり返すことによって、「お昼寝の前にはおむつをみる」「パンばかりあげてはいけない」とだんだんインプットされていきます。
一方、Bタイプのパパは、くり返し同じ注意をされたり、あまり細かいことを言われると「わかってる!」「今やろうと思ってたのに!」とイライラしてしまいます。
パパがやってくれそうだったら様子を見て、忘れているようなら「おむつ大丈夫そうかな?」「○○ちゃんそろそろお腹すいたかな?」とやんわり促してあげると、やる気を出してくれることが多いと思います。
個性別指導は効果アリ
CMでおなじみの大手学習塾では、個別指導を超えた個性別指導を行っているそうです。
言葉を借りると、
「プラス思考」「完璧主義」「のんびりタイプ」「引っ込み思案」など、性格はさまざま。子どもにも大人にも、”やる気”になる魔法のスイッチが必ずあります。
株式会社 やる気スイッチグループホールディングス「スクールIE」HPより引用
なのだそうです。
上で説明したように、教え方・言い方がパパの性格に合っていないと、なかなか身に付かないばかりか、言い争いに発展してしまう事態にもなりかねません。
パパの性格が分かると、「こう言えば不機嫌になる」「こう言えばやる気が出る」という
- 不機嫌スイッチ
- やる気スイッチ
よく分からないという方は、言い方を替えて指示を出してみて、相手の反応をよく観察してみましょう。
パパの性格を知り、受け入れよう

子どもが産まれてから、お互いに「性格が変わった」とか「嫌だと思うところが多くなった」と感じている方も多いと思います。筆者もそうでした。
ですが、それは変わったのではなく、嫌な部分が見えるようになっただけだと筆者は感じます。
ママは産後で疲れている、赤ちゃんはどう扱っていいか分からない。
そんな状況が続くと、パパも「素の自分」が出てしまいます。
今だけと思って、受け入れてあげましょう。
Level.2【ほめてあげる】我が家のイクメンの基準を考えてみよう
当たり前、がパパを苦しめる

その疑問はきっと多くのパパが抱いていると思います。
パパママ教室に参加したり、抱っこひもをして歩いているパパを見かけたり、という光景は今では当たり前になりつつあります。
イクメンが当たり前になればなるほど、家庭でのイクメンの基準は上がっていくばかりだと筆者は感じます。
先日テレビで「おしっこの時はおむつを替えてくれるけど、うんちの時は替えてくれないパパ」が『他にいくら育児をやったって、そんなのイクメンとは言わない!』とみんなから責められていました。
では、うんちおむつを替えればイクメン?
お風呂を入れてあげたらイクメン?
寝かしつけができたらイクメン?
家庭事情や、パパの能力(器用な人もいれば不器用な人も)、ママの望んでいることはそれぞれの家で違います。
育児への参加の仕方は、家庭によって違いがあって当然だと思います。
だから、世間の
- こんなのイクメンじゃない!
- イクメンなら全部できて当たり前だよね
世間の「イクメンの基準」を考えるのではなく、「これをやってくれたらママは助かるなあ」という自分なりの視点から、パパとの育児分担について考えてみてくださいね。
ほめて伸ばす
パパが育児に参加してくれることを「当たり前」と言わず、ほめてあげることでパパのモチベーションへと繋がります。


そう言われると、次もまたやろうという気にもなりますね。
今更面と向かって言うのは恥ずかしい!という方は、パパに聞かせるように子どもに話しかけると良いと思います。

パパと遊ぶの楽しいねぇ
おまけの話:実体験から、筆者が考えたこと
筆者が実家に行った際、パパがわが子のおむつ替えをしているのを見て「あら、パパおむつ替えできるの?すごいねえ」と言われました。
また、スーパーで子どもを抱っこしているだけなのに、年輩の方に「イクメンだねえ」と言われたこともあります。

筆者はそう説明しましたが、「ほんとに当たり前のこと?」とふと思いました。
一昔前までは、父親が子どものおむつ替えをするなんてもってのほかだった時代もありました。
筆者たちの親の世代は、女は専業主婦で家事や何人もの子育てをし、男は仕事だけしていればいいという時代でした。
今は「ワンオペ育児」と言われていますが、その時代にはそれが当たり前でした。
昔の人から見れば、パパが育児にも参加してくれることが「当たり前」ではなかったのですね。
そう思うと、今の時代にママになれたことに、筆者は感謝の思いを抱きました。
そう考えると、「おしっこは替えるけど、うんちは替えてくれない」ことくらい些細なことのような気がしてきませんか?
Level.3【レベルアップ】育児だけでなく家事も覚えてもらおう
子どもの成長とは、育児が減って、家事が増えるということ
『家事』と『育児』の境界線は、どこでしょうか?
赤ちゃんの頃は、おむつ替え・授乳(ミルク)、お風呂、寝かしつけ、抱っこ…などが育児と言えますね。

では、離乳食作りは家事でしょうか、育児でしょうか?
子どもの散らかしたおもちゃを片づけるのは?
子どもの服を洗濯するのは?
このように、子どもが成長するにつれて『育児』と言えるものは減り、育児と家事の境界線が曖昧になってきます。
しかし、「育児が減る=楽になる」わけではありませんよね。
わが家の場合だと、赤ちゃん期が育児8:家事2でほとんど赤ちゃんの世話に時間を取られていました。
しかし生後8か月頃になると授乳やおむつ替えの回数が減り、寝かしつけが楽になるので育児6:家事4くらいに。
1歳を過ぎるとひとり遊びをしている間に家事ができるようになり、育児4:家事6と逆転しました。
授乳(ミルク)がなくなり、子どものご飯は大人の食事と一緒に作るようになります。

ひとり遊びができるようになりますが、イヤイヤしたり、意志を持って反抗したりとお出かけの時は大変です。
おもちゃを散らかしたり、ジュースをこぼしたりと、掃除や片づけの手間が増えます。
このように、育児は楽になるけど家事が増えるので、プラスマイナスゼロかな?と筆者は感じます。
家事と育児の間にある、「名もなき育児」
他にも、一緒に遊んであげたり、支援センターに連れて行ったり、グズりをなだめたり…と、なんだか『育児』とも『家事』ともつかないものにも、ママはたくさんの時間と労力を使っていますよね。
「名もなき家事」とよく話題になりますが、「名もなき育児」もあると思うのです。
お出かけの準備をしたり、買い物に連れて行くたびになだめてカートにのせたり、保育園の持ち物に全部名前を書いたり…そういうのも全て「名もなき育児」だと思います。
育児だけしかしないパパはイクメン?
子どもが1歳を過ぎ、育児しかしないパパは


確かに、育児は減っています。でも、その分家事は増えていくのです。
育児だけではなく家事も視野に入れるとプラスマイナスであることを説明してあげましょう。
「名もなき育児」の大変さを教えてあげましょう。
そして、授乳→離乳食という子どもの成長に合わせて、家事もできるようにパパもステップアップさせます。
わが家では、わが子が手づかみ食べの真っ最中で、おにぎりをたくさん冷凍ストックしています。
でも、子どもの一口サイズのおにぎりを、ちまちまと何十個も作るのは意外と大変。
そのため、おにぎり作りは手先の器用なパパにやってもらっています。
単調な作業だけだとつまらないので、何を混ぜるか考えるのもパパの役目にしましたが、慣れてくるといろいろアレンジし出して楽しんでやってくれているようですよ。
Level.4【責任感を養う】自分から動いてもらうようにするコツ
最初はママに言われて、指示されたことをこなしていたパパ。
でも、慣れてくれば新人バイトは卒業し、次は即戦力です。
仕事や勉強もそうですが、言われてやるより、自分で考えて行動した方が楽しいものです。
学校の宿題より、自分で決めた目標に向けて勉強をする方が充実していますよね。
育児も同じだと思います。「義務感」より「責任感」を持って育児に参加してほしいと筆者は思っています。
パパが自分で考えて動くようになるためのコツを、わが家で実践して成功した例で紹介したいと思います。
表を作る
子どもの生活リズムを知るのに、目に見える表を作っておくのが効果的です。
一般的に、男性は論理的に、女性は感情的に物事を考えると言われています。
たとえば、赤ちゃんが泣いていると、ママは表情や泣き方、口に手を当てたときの反応などから判断して「ミルクかな?」と感じとります。
一方パパは、

前回のミルクは何時にあげたんだっけ
パパは決まった仕事を遂行することは得意なのですが、「空気を読む」「総合的に判断して」自分で考えることが苦手なんですね。
だから、授乳やミルク(離乳食)の時間、お昼寝の時間、お風呂のタイミングなどの1日のルーティンをスケジュール表にしておくと、パパも分かりやすいです。
作り方は簡単です。0~24時までの数字を書いて、その横に何をするか書きます。
筆者はおむつ替えのタイミングまで書いていました。じゃないとパパは忘れてパンパンになるまで替えないので…。
スケジュールは、子どもの成長に応じて修正してくださいね。
筆者は毎月、破ったカレンダーの裏に書いていましたよ。
パパに思い切って任せる
『「育児がつらい」「もう疲れた…」と感じたら試してみてほしいこと。筆者が実践した方法や考えたことをまとめてみました』の記事中でも書いたように、いくらパパに育児を任せようと思っていても、すぐ目の届くところにママがいては甘えてしまうこともあるでしょう。
「困ればママに頼ればいい」という考えがある限り、パパは育児に責任を持つことができません。
時には、思い切ってパパ一人に任せてみましょう。
上の表を書いておけば、パパも自分の仕事内容が分かります。
他には、
- つかまり立ちしているときは目を離さない
- 洗面所のドアは閉める
など留守中に気を付けることを伝えておきましょう。LINEのノート機能や、共有アプリを使うと便利です。
筆者はわが子が六か月のときに、パパへの不満が募り、プチ家出をしたことがあります。
ママ不在の間、パパはちゃんと完璧に育児をこなしてくれていました。何も心配いりませんでした。
支援センターに連れて行く
育児情報に触れる機会の少ないパパは、支援センターの存在を知らないという人も少なくありません。
わが家のパパも、支援センターに行こうと言うと

支援センターは「乳幼児とその家族」向けの施設なので、もちろんパパもOKです。
土日も開放している支援センターだと、休日は夫婦そろってきている光景をよく見かけます。
支援センターには、家にはないおもちゃや、すべり台やボールプールなどダイナミックな遊びのできる遊具が置いてあります。
家では見ない子どもの姿を、パパも見ることができますし、「いつの間にこんなことができるようになったのだろう」と成長を感じることができますね。
子どもはもちろんですが、パパにとっても他の子どもや他のパパからいろんな刺激を受け、さまざまなことを学ぶ機会にもなります。
Level.5【即戦力に!】パパとママの役割を決める
お互いの得意なジャンルを見つけ、分担する
だんだん育児に慣れてきたパパは、ママと同じレベルになってきます。
お互いに得意、不得意があり、それが分かってくれば、分担しましょう。
ママの苦手なことはパパに、パパの苦手なことはママに、二人とも苦手なら半々に。
わが家は、筆者が「大ざっぱで直感的」、夫が「手順通りにコツコツやる」という正反対の組み合わせなので、家事や育児はうまく配分できていると思います。
たとえば、先に述べたように「子どもの一口サイズのおにぎり」をちまちまと丸めるのは苦手なので夫に任せていますし、子どもの爪切りや服を畳むなども、細かくて単純な仕事が得意な夫の役目です。
このように、ママとパパの得意、不得意を見つけて、うまく分担できるとより効率が良くなりますよ。
報告、連絡、相談
家庭の中とはいえ、家事や育児はもはや仕事と一緒です。
いない間のできごとを、お互いに共有するのは大切です。
「報告、連絡、相談(ほうれんそう)」をきちんとするようにしましょう。
パパも会社員ならば、分かってくれるはずです。
- さっきうんちしていたから、おむつ替えたよ
- ミルクは160ml全部飲んだよ
- 車で30分くらい、寝たよ
さっきおむつを替えたならしばらく大丈夫そう。
車で寝たならまだ眠くならないね。
と、その後の育児がスムーズにできるようになります。
お互いがやりやすい環境作りを
Level1で、イクメンにはいろんなタイプがいると書きましたが、育児分担に関しても「ちゃんと細かく決まっていないとやらない」タイプと、「決めてしまうと義務に感じて重荷になる」というタイプがいます。
前者のパパには、
- ゴミだし:パパ
- (日)(水)(木)寝かしつけ:パパ
わが家のパパも後者タイプだったので、ママとパパの仕事にはっきり線を引くことはせず、その場の状況に応じて入れ替わることもよくあります。
番外【注意】やってはいけないこと
他のパパと比べない
パパに、いろんなことができるようになって欲しいからといって、

上で書いたように、それぞれの家庭によって事情が違います。
他のパパと比べるより、「私はこれをやってくれると助かるなあ」と、ママが望んでいることをパパに伝えましょう。
パパのすべてをコントロールしようとしない


そんな思いは大いにあると思います。
しかし、平日は仕事、土日は子どもの相手ではパパの休める時間はなくなってしまいますよね。
これまで書いてきたように、パパの個性を尊重しつつ、押し付けないようにしましょう。
パパが家の中のことをやってくれたおかげでママの自由時間ができたら、パパの自由時間も作ってあげましょう。
まとめ
パパをイクメンに育てるコツとしては、
- パパの性格を知り、『やる気スイッチ』『不機嫌スイッチ』を見つける
- やってくれて当たり前、と思わず、ちょっとしたことでも「ありがとう」を伝える
- パパの得意なことを見つけ、任せてみる
できることが増えるにつれて、パパも自信がついてきますし、責任を持つことができます。
筆者自身もパパに育児や家事を指導しているうちに、「これは会社と同じだな」と感じました。
新人バイトから一人前に育てるのは簡単ではありませんが、パパのレベルが上がるごとにママは楽になっていきますよ。
「大きな長男」だと思ったり、「イクメン育成ゲーム」だと思ったりしながら、楽しくイクメンに育ててくださいね。