丸美子
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ママテク(@mamateku)ライターの丸美子です!
乳児健診や予防接種を受ける際に、つい他の子どもと発育の差や発達度合いを比べてしまい、「うちの子は発達が遅れているのかもしれない・・・」と不安に思うママが多いようです。
子どもの発育や発達のスピードは子どもそれぞれ。わかってはいるものの、特にはじめてのお子さんをおもちのママには、常に悩みのひとつとなっています。
そのような悩みを持つママのために、今回は各乳児健診で診る発育・発達のポイントを順を追って説明して、そのときに注意すべき発達上の注意点を教えます。
パッと読むための目次
そもそも「発育」と「発達」のちがいって?
まず、赤ちゃんの成長に関する言葉に「発育」と「発達」があります。これらはあいまいに使われることが多く、そのちがいを理解している人は少ないようです。
「発育」とは、組織や器官細胞の増加や形態や量の増加など身体的な変化を表す場合に用いられ、「発達」は機能とその構造上の進化や複雑さを表す場合に用いられます。
本来は、形態と機能の進歩が互いに連鎖していくものと考えられているので、「発育・発達」など一緒に用いられることも多いのです。
0歳から1歳までの発育・発達の目安は?
生まれたばかりの赤ちゃんは、1歳までの間にまさに驚異的なスピードで発育・発達していきます。
それぞれ多少のスピードの差はあるものの、0歳から1歳までの間にできるようになることは以下のようなことがあります。
- 手に触れたものをにぎる(うまれてまもなく~2か月ごろ)
- あやすと笑う(0歳1か月~3か月ごろ)
- 首がすわる(0歳3か月~4か月ごろ)
- 左右の手に持ちかえることができる(0歳5か月~7か月ごろ)
- 寝返りをうつ、支えなしですわることができる(0歳5か月~7か月ごろ)
- ハイハイをする(0歳8か月~10か月ごろ)
- 伝い歩きをする(0歳10か月ごろ~)
- 一人で歩く(0歳11か月ごろ~)
- ママやパパなど言う(0歳11か月ごろ~)
ただし、これらはあくまで目安なので、この時期にできないからといって不安に思う必要はありません。
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たとえば、「つかまり立ち」や「ハイハイ」「一人で歩く」などは、他の赤ちゃんと比べてしまいがちな発育・発達の項目ですが、たとえハイハイをはじめたのが早くても、その後一人で歩きはじめることが他の子どもよりも遅いということもあるので、あまり神経質に考えないようにしましょう。
乳児健診(乳幼児健診)の目的は?
出産後には出産した病院などで、赤ちゃんとママの様子を診るために「1か月健診」があります。この健診では産後のママの体調の回復を確認する意味あいもあります。
以降、定期的に赤ちゃんの「乳児健診(または乳幼児健診)」があります。
- 赤ちゃんの健康・栄養状態
- 発育・発達状態
- 先天的な病気の有無、早期発見
- 予防接種の時期や種類
また、乳児健診の際には育児の悩みや子どもの発育・発達について、ママが気になっていることを小児科の医師や保健師さんに相談することもできる良い機会です。
最近では、核家族化やご近所との関係がドライになってきていることから、周りに子育てのサポートをお願いできる人がいないなど、乳児健診はママの悩みを聞いてもらう役割も担っているといってもいいでしょう。
子どもの発育・発達についての悩みも、たくさんの赤ちゃんを診てきた医師や保健師さんに聞いてもらうことで、悩んでいたことが吹き飛んでしまうようなこともあります。
このころの赤ちゃんを連れて乳児健診会場までの移動は大変だと思います。その工程を考えるとゆううつになってしまうかもしれませんが、受けて帰宅するころには悩みも解決し、きっと「行ってよかった」と思えると思います。
乳児健診はいつ受けられる?
乳児健診の回数は、お住まいの自治体によって異なります。
必ず行うことが決まっている乳児健診は、生後4か月健診、1歳6か月健診、3歳健診の3回です。
その他自治体で任意で行っている健診の多くは特に1歳までに集中しています(2歳健診まで)。
これは、先にお話したように、発育・発達において0歳から1歳までの間に赤ちゃんができるようになることが多く、成長をチェックできる項目が多いからでもあると思います。
また、特にはじめての育児を経験しているママへのケアも兼ねているので、定期の乳児健診だけではなく、お住まいの自治体で行っている任意の乳児健診についても積極的に受けるようにしましょう。
4か月健診でチェックすることは?
4か月健診では、首のすわり具合や反応を診ます。ただし、このときに首がすわっていなくても大丈夫です。あくまでも目安なので心配はいりません。
また、先に説明したように、この頃にはあやすと笑ったり、手に触れるものをにぎるなどの反応がみられるようになるので、音に反応したり、目でものを追うなどの反応があるか?チェックします。
先天性の病気を発見することもこの4か月健診の重要なポイントです。1か月健診では症状が軽いために発見できなかった先天性の病気が、このころに明らかになることも多いからです。
特にこの時期の健診で明らかになることが多いのは「先天性股関節脱臼」です。先天性股関節脱臼は女の子に多く、男の子に比べて約10倍の発症率といわれています。
- 太腿のシワが左右非対称
- 左右の足の長さが異なる
- 足を曲げた状態で股を拡げると、ポキポキ音がする
特に気になるからといって、何度も足を延ばしたり曲げたりしないようにしましょう。
「先天性」とはいいますが、赤ちゃんの抱き方やおむつ交換のときなど後天性な要因から脱臼する可能性もあります。気になったら、乳児健診時期ではなくても小児科医に相談するようにしましょう。
先天性股関節脱臼と診断されても、軽度であれば自宅でのケアで自然治癒することもできます。その際にも必ず医師の指示に従ってケアをするようにしましょう。
6か月健診(任意)や1歳健診(任意)でチェックすることは?
6か月ごろの健診では、寝返りや支えなしでおすわりができるか?などを診ます。また、このころから人見知りがあるか?など精神的な発達も確認します。
その他にも、お腹の中でママからもらった免疫が減少してくる時期なので、感染症予防についての指導があります。
1歳ごろの健診では、つかまり立ちやハイハイ、ものにつかまった伝い歩きなどの運動機能の発達状態を確認します。おもちゃなどに興味をもっているか?などの精神的な発達もチェックします。また、この時期には視覚や聴覚などの先天性の病気を発見することがあります。
1歳ぐらいになると、さまざまなやり方でママに自分の意思を伝えようとしてくるようになります。
ママの注意を引こうとしたり、真似をしたり、欲しいものや興味があるものを指さしたりします。声を出したり、身振りなどで精いっぱい自分の意思を伝えようとします。
実はこのような行為は、これから人と係わる力やコミュニケーション力の土台をつくっているといわれています。
これらの発達をサポートするためには、子どもが真似をしたくなるような表情や身振りをしたり、子どもが指さしたりするものに対して同じように指さし、「○○ね」と名前を言ったりしてあげるとよいでしょう。
1歳6か月健診(定期)や2歳健診(任意)、3歳健診(定期)でチェックすることは?
1歳6か月~3歳までの健診では、心音から心臓の機能状態をチェックしたり、皮膚の状態や歯の本数などを確認します。
その他にも運動性の発達や精神的な発達も確認します。
たとえば、ものの名前を言ったときに指さしができるか?3歳健診では自分の名前と年齢が言えるか?など社会性の発達も確認します。
1歳6か月までの健診では、主に体の発育・発達について診ていきますが、1歳6か月以降の健診では、精神的な発達や言葉の発達を診ることが大切になってきます。
言葉の発達は、体の発達と同様に個人差があり、家庭環境や性格などによっても発達のスピードが異なります。
たとえこの時期の健診で言葉の発達の遅れを診断されたとしても、しばらく様子を診ることがほとんどです。
ただし、専門的なアプローチをすることで言葉の発達が進むこともあるので、気になることがあれば医師に相談しましょう。
1歳6か月ぐらいからみられる発達障害は?
発達障害の中で1歳6か月健診のときに診断されることがあるのは「自閉症スペクトラム」とよばれるものです。
自閉症スペクトラムの特徴としては、コミュニケーションに困難さが感じられたり、関心のあることが限定的で行動もパターン化しているなどの症状があります。
もし、乳児健診の際に発達障害を指摘されたとしたら、考えただけでもとても不安な気持ちになります。でも、早い時期に正しい支援を受けることでコミュニケーション力の発達を促進することも可能なので、子どものためにも医師の指示を聞くようにしましょう。
また、2歳ぐらいまで(または次の乳児健診まで)様子を診ることも多くあります。
「ママに見てもらいたい!」という気持ちが全開な1歳6か月児
このぐらいの年齢になると、コミュニケーションの表現方法がだんだんと複雑になってきます。
1歳までの期間から引き続き、人との関わる力やコミュニケーション力の多くは、日ごろ接する時間が長いママとの間でついていきます。
スーパーでお買い物をしているときに、自分が食べたいお菓子を持って来たり、いつもと異なる状況になったときにママの顔を見て確認したりします。
このころの子どもは「ママはいつも自分の味方」と安心しきっています。
1歳6か月ごろから社会性の発達を促すためには、同年代の子どもと遊びを通して関わることができる公園や児童館などへ行って遊ばせることがおすすめです。
公園や児童館は、他人と交わることで自分の思い通りにいかないこともあるということを学ぶ良い場所です。
人と関わる力やコミュニケーション力は経験することで、はじめて習得することができます。
人と関わることでさまざまなトラブルも予想できますが、トラブルになったら「どうしてそうしたのか?」「どのように思ったのか?」をきちんと子どもから聞くようにしましょう。
「ママはいつも自分の味方」であることがわかると自己肯定感が育ちます。
「魔の2歳児!」イヤイヤがはじまる時期は
2歳から3歳は「第一次反抗期」ともよばれ、一般的には「イヤイヤがはじまる時期」といわれています。
ママにとっては苦労が多くなる時期ですが、精神的な発達の過程においてはとても重要な時期になります。
子どもは自分の思い通りにならないことに、かんしゃくをおこしたりして気持ちを表現します。
また、この時期には何でも「自分でやる!」と言い張り、結局上手くできずにかんしゃくを起こすということがよくあります。
このようなときには、できないことよりも自分でやろうと思ったことを褒めてあげるなど、子どもの気持に寄り添う方が叱るよりもずっと早く収めることができるばかりではなく、精神的な発達の上でも効果的なので、試してみてください。
2歳ごろに注意しておきたい発達のこと
子どもによっては、人とあまり接したがらない性格の子どももいます。
ただし、単なる人見知りや消極的な性格が原因である場合には、そっと他の子どもが遊んでいるところを見るなど「ほんとうは仲間にいれてほしい」という気持ちがそこにはあります。
ですが、そうではない場合には発達について注意が必要です。一人遊びが多く、他の子どもの遊びにまったく興味がないようであれば、発達障害があるという兆候かもしれません。
また、なんでもないような音や声に極端に反応したり、手が汚れることを極端に嫌うなどの症状がみられたら、医師に相談してみるのもよいでしょう。
3歳ごろに注意しておきたい発達のこと
3歳ごろになると、「なぜ・どうして・なんで攻撃」がはじまります。
より自己主張が強くなり、いうことを聞かないばかりかこのような質問攻めが続くと、ママの方もイライラしやすい時期です。
2歳児の「イヤイヤ期」同様に、精神的な発達の過程においては、この「なぜ・どうして・なんで攻撃」はとても重要なものなのですが、あまりにしつこいと子育て自体にうんざりしてしまうこともあるでしょう。
そのようなときについ見逃しがちになる可能性があるのが、この時期の発達上の注意点です。
2歳児同様に一人遊びが好きな場合でも、こだわりが強くいつも決まった遊びしかしないようであれば、発達障害を気にしてもよいでしょう。また、急に行動したり、不注意なことが多い場合も注意が必要です。
人との関わりでは、視線が合わなかったり、会話が成立しないなどの特徴が発達障害にはあります。
これらは、おうちの中だけではなく保育園や幼稚園でも同じように起こるので、気になるようでしたら医師に相談するよりも、まずは先生に聞いてみる方がよいでしょう。
他の子どもとのちがいが気になったら乳幼児健診で相談を!
他の子どもと遊ばせるようになると、どうしても気になるのが、我が子の発育・発達についてです。
特に、使える単語が極端に少ない、走り方がたどたどしいなど、目に見えて他の子どもよりも発達が遅れている部分を目にすると心配になってしまいます。
また、落ち着きがないことから発達障害を疑うこともあるかもしれません。
ただし、幼児期は落ち着きがないことも多いので、一概にそれだけで判断することはできません。
他の子どもとの発育・発達のちがいについて悩んでいるママは、実はとても多いのです。
インターネットがない時代にはそのような悩みを抱えていても、病院をまわるぐらいしかできなかったのが、今は自宅でひとりでも調べることができます。ただ、そのかわりに情報量が膨大に増えてしまい、かえって不安を膨らませてしまっているのが現状です。
わが子の行動が個性なのか?障害なのか?という悩みや、または障害をもたせてしまったという責任を感じてしまい、自分で悩みを深くしてしまっているケースもあります。
当然、発達障害はママのせいではありません。自分自身を責めるよりも、子どもが生きやすいように支援する方法を一緒に考えてくれる保健センターや子育て支援センター、発達障害者支援センターを活用しましょう。
また日頃お友だちと遊んでいるときに見られる社会性の発達について、気になる点があったら医師に相談してみましょう。
乳児健診だけではなく、歯科検診や予防接種では医師や歯科医師、保健師だけではなく、言語聴覚士や臨床心理士、小児神経の専門医など、発達障害の早期発見と早期からの支援を行うための連携がとれているので、サポートを得るための機会として、積極的に活用しましょう。