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ママテク(@mamateku)ライターのMeow-Meowです。
子育てをするなら、みなさんは『都会』と『田舎』どっちの方がいいと思いますか?
自然の中でのびのびと育つ子ども。
空気が良くて、人も良くて、ストレスも少ない。
筆者は現在、そんな環境で子育てをしています。
最近では都会から家族で移住してくる方も増えてきました。
一方、田舎の厳しさも知っている側からすれば、便利で遊ぶところもたくさんある都会が羨ましく、「わざわざこんな不便なところに引っ越してこなくても…」と思ってしまうこともあります。
都会と田舎。
便利と不便。
それぞれの良さがあり、一概にどちらが良いとはいえないと思います。
そこで、筆者の体験をもとに「田舎での子育てはこんな感じ」というのを紹介したいと思います。
田舎で子育てしたい、移住を考えているという人はぜひ読んでみてくださいね。
パッと読むための目次
田舎の暮らしってどんな感じ?
『田舎』というと、どのくらいの田舎を想像しますか?
見渡す限りの田んぼ、田んぼ。
バスは1日2本。
家庭菜園で自給自足。
子どもたちは学校から帰ると川遊び。
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こんな感じでしょうか?
都会からすれば、まさに異次元、別の国?
こんな光景は、筆者の住んでいる地域にもよく見られます。
でも、街に出ればスタバもあるし、パルコもあります。
そこで僭越ながら『田舎』を代表し、田舎暮らしあるあるについて、ちょっとお話させていただきたいと思います。
- バスの時刻表は空白だらけ。
- 駅の出口は、基本的に表と裏しかない。迷う心配はない。
- ドライブスルー天国。薬局もスタバも牛丼屋もある。
- イオンに行くと、絶対知り合いに会う。
- しまむら、ライトオン、西松屋…服が被る。
- コンビニはセブンイレブンとファミマしかない。迷い猫、お年寄りの情報が集まるので、警察官もよく聞きに来る。
- 高校卒業するとマイカー、結婚するとマイホームが当たり前。
- 結婚、出産が早い。20代後半には同級生がママ友になる。ひいひいおばあちゃんが元気なのも珍しくない。
- 基本的に足は車。待ち合わせはスーパーの駐車場。車を持っていないと、誘われなくなる。
- だいたいおばあちゃん家か親戚の家が農家。
- 隣の町は山の向こう。
なんとなく、想像できたでしょうか?
わが町では、街の中心地は繁華街などがあり、郊外には10階建てくらいのマンションもいくつか建っています。
中心の駅では、街の真ん中を通っているJR線、そしてローカル線が1本接続しています(新幹線は止まりません…)
でもそれより離れると、だんだん住宅地やお店が少なくなっていって、田んぼだらけになります。
電車のローカル線さえ通っていない地域もあります。
そんな、山に囲まれた田舎です。
農業で発展していた地域なので、昔ながらの農家もたくさんあります。
都会には及ばないものの、街の近くに住めばある程度の便利さはあるけど、山の方に行くと本当に半自給自足をしている人たちもいる地域なのです。
『田舎』に移住するとは、『田舎』を好きになること
「子育てするなら田舎だ」
しかし、都会から田舎へ移り住むということは、生活環境ががらっと変わるもの。
それに対応しきれず、数年で都会へと戻ってしまう家族も後を絶ちません。
何日か田舎に滞在しただけでは、きっと田舎の良さ・不便さはわからないと思います。
もし田舎へ家族で移住を考えているなら、「憧れ」や「イメージ」だけではなく、現地のリアルさを知ってから来てほしいと思うのです。
そして、のんびりした『田舎』を好きになってほしいと思います。
そういった思いから、今回はこの記事を書いてみました。
田舎で子育てをするメリットって?
では、そんな『田舎で子育てをするメリット』から説明していきます。
メリット1、待機児童がいない
子育てをしている方なら気になる待機児童問題。
筆者の住む地域は、今のところこの問題とは無縁です。
「待機児童がいない。」
これは、その地域で出産・育児を始めるにあたって、大きなアドバンテージとなるのではないでしょうか。
わが子はまだ保育園に入れる予定はありませんので、「待機児童がいない」といっても筆者には実感がわきませんでしたが、最近聞いたエピソードで「なるほど…」と思えるものがありました。
先にママになっていた友人たちは、きょうだいで同じ保育園、幼稚園に入っています。
筆者もそれが当たり前だと思っていました。
しかし、今年初めて待機児童が出た近くの市では違うようで、「なるべく優先はするけれど、きょうだいそろって希望どおりの園に入れるとは限らない」とのことでした。
これにはびっくりしました。
だって、毎日二か所も回って送り迎えをするなんて、大変ですよね。
また、都内で暮らしている友人が、出産のためにこちらに戻ってきたときのこと。
「こっちで子育てしたいなあ」とつぶやいていました。
産休明けの仕事復帰を予定しているけれど、保育園が決まらないとのこと。
『無認可の保育所だと、保育料が高くて赤字になってしまいそうだ』と言っていました。
それだけ待機児童問題は深刻なのですね。
働くママにとって死活問題の保活も、田舎では書類だけきちんと出せばなんなく入れる、というところもあります。
ちなみに一時保育も、だいたい希望日に希望の園で預かってもらえます。
しかし、田舎に子どもが少ないわけではありません。
田舎では結婚や出産年齢が低い傾向にあり、2人目、3人目へのハードルも低いように感じられます。
では、なぜ「待機児童がいない」のか。
わが町を例として、筆者が考えたことをまとめてみました。
子育てしやすい街とは?
わが町では、『日本一、子育てしやすい街』というスローガンを掲げています。
似たように、子育て支援に力を入れている市町村は日本全国にたくさんあると思います。
田舎では過疎化が進み、できるだけ若い人に移住してほしいとの思いで、こんなスローガンを掲げて子育て事業を充実させているものだと思われます。
近隣の村や町の中には「移住家族には村民住宅として家賃無料で家を提供」してくれるところがあったり、「出産祝い金として50万円も進呈」されるところもあります。
わが町もそうですが、子どもの医療費は基本的に無料です。
では、わが町の『日本一、子育てしやすい街』とは具体的にどういうことなのか。
筆者が理解している範囲で説明してみたいと思います。
子育て事業に多くの予算が使われている
わが町では毎年、子育て事業には予算が上乗せされているようです。
どんなことに使われているかというと、筆者が分かるものを挙げてみると、
- 保育料金が安く抑えられている
- 子育て支援センターや児童館の設備が充実。おもちゃが豊富
- 保育園の開園や保育士の充実にも力を入れている
このように、近隣の市町村に比べると子育て事業の質が高いと感じるところがあります。
具体的な例を挙げると、顕著なのが『託児所の利用料』です。
市立の保育園は違いますが、民間の託児所はどこの地域からでも利用することができます。
ところが、利用料は住んでいる市町村によって違うのです。
たとえば、A市の人は1時間1000円、B市の人は900円、わが町は700円です。
なぜこのような違いがあるのかというと、決して差別ではなく、「その市町村からどのくらい助成金が出ているのか」によるのだそうです。
わが町はA市やB市よりも子育て事業の予算が多く、託児所への助成金も多いため、保育料減額として市民に還元されているということなのです。
子育て支援に力を入れている地域を選ぶ
では、なぜわが町は子育て支援に力を注げるのでしょうか。
筆者の考えるところでは、「ほかに税金を使うようなところがない」からではないかと思います。
身もふたもない言い方になってしまいましたが、わが町は観光地でもなく、商業施設があるわけでもありません。
近隣の市町村ではIT産業が盛んだったり、大きな商業施設もあるため、わが町はそのベッドタウンのような街なのです。
ちなみに保育料が高いA市は、特に観光業が盛んです。
一方でわが町は、観光や商業、産業にお金がかからないため、子育て事業を充実させることができるといえます。
子育てに力を入れている地域を選ぶことは、家族で移住先の決定するにあたって重要なポイントです。
選ぶにあたって「観光地ではない」という点は、ヒントになるのではないかと思います。
メリット2、生活にかかる費用が安い
田舎で生活をするうえで、いくつかの面で都会よりも生活にかかる費用が安い、と感じることがあります。
例えば、住むところ。
筆者は独身の頃、ワンルームアパートに住んでいましたが、駅(ローカル線)まで徒歩5分の距離で家賃が月々3万円弱でした(ボロアパートではありません!築浅のきれいな部屋でした)
結婚してから住んだアパートは駅から遠い場所でしたが、2LDKで5万5千円。
都市部の基準からすれば、安いといえるのではないでしょうか。
土地が安い=マイホームを持ちやすい
田舎では、結婚するとだいたいマイホームを購入します。
特別な理由がなければ、家族連れで一生賃貸アパートに住み続けるという人は、あまりいません。
というより、家族向けの賃貸物件があまりありません。
親から引き継いだ土地があったり、親と同居する場合も多いのですが、最近では新たに土地を購入して家を建てるという人も多いです。
わが家も土地から購入して、マイホームを建てました。
なぜなら、土地が安いからです。
たとえば、駅から遠くない住宅地であれば、駐車場とちょっとした庭が確保できる50坪の土地で1200万円。
少し離れると同じ広さでも1000万円を切り、もっと離れると、70坪400万円で売り出されている土地もあります。
贅沢を言わなければ、土地から探しから始めて3000万円で庭付きマイホームが建てられます。
固定資産税なども含めて、月々返済額は7~8万円といったところでしょうか。
賃貸アパートよりは高めですが、「生活費を切り詰めないと払えない」という額ではありませんし、定年を迎える頃にはローンも終わるのです。
筆者たちも子どもが巣立ったあと、老後も安心して暮らせるように“終の住処”として建てました。
このように、田舎では「マイホーム=安心、安定」といったイメージが持たれています。
結婚した同級生たちも次々と家を建て、マイホームを持つことは、一種のステータスとなっていると感じます。
田舎に定住するのであれば、マイホームは子育て世代に共通する目標だということですね。
食材が安い
スーパーには、いつも新鮮な野菜や肉が並んでいます。
「田舎は大量仕入れができず、価格競争もないから食品が高い」
と言われることもありますが、そんなことはないと筆者は思います。
たしかに「肉半額デー!」「キウイ60円!」なんていう特売はあまりありませんが、1年を通して、そして全体的に見れば安定していて安いと思います(個人商店ではなく中~大型のスーパーですが)
例えば、「鶏むね肉」の全国相場が67円だと聞きました。
東京都で見れば90円で売られているところが多いようです。
しかし、わが町のスーパーではどこも39円です(近所のスーパー同士、一番安い店に価格を合わせているようです)
ちなみにささみは69円、鶏もも肉は89円です。コストコの冷凍肉より安いんですよ。
地元産の野菜や肉、パンやお惣菜などを販売している『直売所』が、道の駅など、あちこちにあります。
『直売所』では野菜がキロ単位で売られていて、価格もかなり安い傾向にあります。
たとえば抱えるほど大きな大根(2.5kg)が200円、7~8本入り1kgの人参もが230円。
キャベツやレタスは大玉で、100円を切る価格が通常です。
また、身近に農家をしている人がいるというのも「田舎あるある」で、近所の人や同僚から野菜、米、果物をいただく機会もけっこうあります。
1歳児のいるわが家は野菜中心の食卓ですが、1週間の食費は野菜のみでいうと1000円未満です。
冬場は葉物野菜などが高騰しますが、逆に安くなる白菜などを使って安くおさえています。
野菜が安い理由は「近くで生産されているから」です。
地元産の野菜は輸送コストがかからないため、低価格におさえられているというわけなのですね(肉が安い理由はよくわかりません!)
メリット3、環境が良い
田舎のいいところは、なんといっても『環境の良さ』です。
人よりも自然の方が多い場所なので、「空気がきれい」という点は言うまでもありませんが、他にも子育てをするうえでこんな『環境の良さ』があると思います。
空気がきれい
筆者の友人に、仕事の都合で東京から移住してきた人がいます。
その人は子どもの頃から、アトピーに苦しんでいたそうです。
しかし、田舎に引っ越してきてから、それが良くなったというのです。
皮膚のかゆみなどの他にも、アトピー性鼻炎(花粉症)にも苦しんでいたようですが、それも完治とはいかないまでも以前に比べると格段に症状が落ち着いているとのことでした。
でも、田舎=花粉が多い、というイメージがあるのになぜでしょうか?
一説によると、アトピーや喘息、花粉症の大きな原因のひとつに、排気ガスなどの『空気の汚れ』があるそうです。
空気が汚れていると、アトピーや喘息、花粉症といったアレルギー症状を加速してしまうそうなんですね。
田舎のきれいな空気の中で暮らしているうちに、アレルギー症状が落ち着いてくることもあるようですよ(もちろん個人差はありますが)
困ったときは助け合う精神
田舎ならではの近い距離感が苦手な方もいるとは思いますが、「困ったときに助けてくれる」という田舎ならではの側面は、子育て中にはありがたいと思います。
筆者自身、子どものころは両親の帰りが遅く、鍵っ子でした。
そのため学校が終わると近所の家によくおじゃまして、おやつをもらったり宿題をしていました。
現在は引っ越して間もないため、ご近所との付き合いはこれからですが、野菜や果物のおすそ分けをいただいたり、散歩をしていると必ず声をかけてくれます。
新しく引っ越してきた人も、古くから住んでいる人も、「角のお家の○○さんね」といった風にいつの間にか周知されていて、アパートやマンションで隣近所にどんな人が住んでいるのか分からない…といったことはあまりありません。
ですが、パーソナルスペースに土足で踏み込んでくるようなおせっかいなおばちゃんがいるというわけでもありません。
これは、孤独に陥りがちな育児中のママには必要なことなのかなと感じます。
渋滞や混雑があまりない
人口密度が低い田舎では、渋滞や混雑も少ないです。
農道や田んぼ道など抜け道がたくさんあるため、渋滞していても回避できるというのもいいところです。
また「行列に並ぶ」といったシチュエーションも、あまりありません。
早い時間に行けば、どこのお店も空いていますし、土日の混雑した時間帯の飲食店でもそれほど待たずに席に座れます。
車移動が多いため、「名前を書いておいて、車で待つ」というのも田舎の基本です。
これは飲食店に限らず、病院の診察待ちでもよくとられる方法です。
外で1列に並んでじっと立っていなくてもいいのは、寒い時期や小さな子どもがいるときには便利ですよね。
平日はイオンやユニクロなど人気店もかなり空いています。
だからなのか、店員さんも他のお客さんものんびりしているような気がします。
したがって、赤ちゃん連れ、小さな子ども連れでもそれほど気にすることなくショッピングや外食を楽しむことができます。
自然がいっぱい
思い切り自然と触れ合えるというのは、田舎の子育ての醍醐味だと思います。
こういった日常は、都会では経験できないのではないでしょうか。
- 田舎の「遠足」はほぼ「登山」や「ハイキング」です。足腰が強くなります。
- 休日にわざわざピクニックに行こうとはあまり思いません。子どもと近所に遊びに出かけ、お弁当を食べるのが毎日ピクニックだからです。
- 「公園」はきれいに舗装され、遊具がたくさんある場所ではありません。池や川が流れていて、森や芝生が広がっている広大なエリアです。こういった自然公園が近隣に5~6か所くらいあります。
田舎の子育てのデメリットって?
これまで田舎の子育ての良いところを紹介してきましたが、メリットばかりではありません。
次は田舎における子育てについて、デメリット面を挙げてみたいと思います。
デメリット1、車がないと生活できない
まずはじめに、田舎ではマイカーが必需品です。
1家に一台どころか、一人一台は基本です。
大学進学などの進路が決まると、ほとんどの高校生は免許を取得し、大学入学もしくは入社と同時に車を持ちます。
求人を見ていると、『必要な資格』には必ず「自動車免許(AT限定可)」とあります。
免許がない、車を持っていないために就職先がなかなか見つからない場合もあります。
なぜなら、車がないと通勤通学をはじめ、生活がしにくいからです。
都会のように鉄道が発達していません。
田舎での「駅から遠い」は「歩いて1時間」というレベルです。
バスは1日数本、これも路線が少なく、夕方19時を過ぎればほとんど終了してしまいます。
部活で遅くなった学生は、親が迎えに来ます。
アルバイトにも送り迎えをしてもらいます。
自転車では厳しい気候条件や地形もある
自転車という選択肢もありますが、田舎は時に厳しい自然にさらされるときもあります。
例えば、山間部や標高の高い地域は天気が変わりやすく、夕立やにわか雨、お天気雨も珍しくありません。
筆者の住んでいる地域は、11月末には雪が降り始め、毎年数回は1mほど積もります。
真冬は氷点下10℃以下になり、高校時代なんてタイツ2枚重ねでした。
服装は「機能性>おしゃれ」です。
また、春の乾燥した時期は、山からの吹きおろし(強風)で田んぼや畑から砂が巻き上げられ、目も開けていられないほどの砂嵐に見舞われるのもまた恒例行事です。
田舎は坂や舗装されていない道も多く、自転車には不向きだといえます。
比較的交通の便が良い場所に住んでいても、「近くのスーパーまで」が何キロも遠くだったりするので、自転車や歩きでの買い物は大変です。
ちなみに、わが家から一番近くの児童館までも3キロあるので必ず車で行っています。
友人に自転車で頑張っているママがいますが、子どものほっぺが霜焼けしてしまったり、夏は脱水症状になりかけたという体験談を聞きました。
したがって、ママもパパも1台ずつ車を持っているというのが田舎子育ての基本スタイルです。
車がないと付き合いも不便
公園や児童館の駐車場には、ママたちの乗ってきた軽自動車がずらりと並ぶ光景が広がります。
ママ友同士で出かけたり、夫の会社の同僚たちと家族ぐるみで出かけることがたまにあるのですが、そういった時も「車で行く」ことを前提にして計画を立てます。
車を持っていないママがいれば、それに合わせて自転車や公共交通機関で行ける場所に限られてしまうか、誰かの車に便乗していかなければならないため、ママ友たちとの付き合いにも少し不便を感じるかもしれません。
住む場所によっては必須ではありませんが、田舎で子育てをするならマイカーを持つのがベターな選択と考えておくといいと思います。
デメリット2、仕事がない
田舎での移住がうまくいかず、あきらめて都会での暮らしへと戻ってしまう原因のひとつとして「仕事がない」というのがあるようです。
たしかに都会に比べれば、お店や企業数の差は歴然としています。
企業も少ないですが人も少ないので、「働く場所」としての需要と供給はおおむね一致しているような気がするのですが、問題は『選択肢が少ない』というところではないかと感じます。
仕事が選べない、やりたい仕事に就けない
コンビニや飲食店、スーパーなどには常に「スタッフ募集」の張り紙が見られ、人手不足はむしろ田舎のほうが深刻といえます。
したがって、業種・職種にこだわらなければ、働く場所はたくさんあります。
しかしコンビニのアルバイトでは、家族を養っていくことは難しいと言わざるを得ませんよね。
たとえば、こういったケースを聞いたことがあります。
「田舎に移住する」と決め、パパは仕事を退職し、田舎に引っ越しました。経験やスキルもあるし、まだ若いのでいくらでも転職は可能なはずでした。
しかし、企業数の少ない田舎では、これまでの経験やスキルを発揮できるような求人募集がなかなか見つかりません。
結局、未経験の仕事に就くしかなく、パパは新人教育から始めることになりました。
これまでの会社での経験やスキルを発揮できる仕事に就ければ、即戦力として働けるため、今までの収入を維持できる可能性が高いです。
しかし企業の絶対数が少ないため、希望する仕事に就けない可能性もあります。
何しろ、仕事がないといって、都会へ出る若者が多いのが現状です。
移住する前にまずは働く場所の確保から
「新しい土地へ移住する」というと、土地や家のことばかり考えがちですが、まずは『仕事があるかどうか』を確認するべきだと筆者は感じます。
地域によって、特定のジャンルの会社が集まっていたり、工業が盛んだったり、特色があると思います。
筆者の住んでいる地域は空港が近いため、電子部品や精密機器メーカーが集まった工業地帯があります。
何十社もの企業で何万人も働いていて、ハローワークにもいつも工業地帯内のどこかの企業で求人募集があります。
筆者もその中のひとつの会社で働いていた経験があります。
ちなみに現在は在宅ワーカーとなり、インターネット環境があればどこでも働ける身となったため、住んでいる場所を気にする必要はなくなりました。
こういったフリーランス・テレワーカーとして田舎暮らしをしている人も、中にはいますよ。
在宅ワークについてのお話は別記事でまとめていますので、もし興味があったら合わせて読んでみてくださいね。
また、田舎ならではの仕事としては農業もあります。
農業の機械化や土地の住宅化が進み、農業人口は減る一方ですが、田舎では高齢化が進み、若者の人手が足りず農業に携わる人を募集しています。
農業は大変な面もありますが、軌道に乗れば安定した事業ともいえます。
パパのやりたい仕事、ママのやりたい仕事、それらを考えながら移住を計画してみると、失敗しにくいのかなと思います。
デメリット3、子どもの教育面の不足
田舎から若者が流出するもうひとつの原因として「教育面の不足」があります。
大学の数は都会と比べて圧倒的に少ないと言えます。
したがって、充実した教育を求めて都会へ出ていく若者が多いのですね。
こういった教育面の充実は、田舎ではなかなか難しいところがありますが、基本的な教育であれば問題ないともいえます。
習い事の選択肢が少ない
田舎でも、オーソドックスな習い事は一通りあります。
小学校時代のクラスメイトは大半の子が何か習い事をしていて、ピアノ、そろばん、スイミング、習字、公文…こういった習い事が多かったです。
習い事の数は決して少なくはないのですが、都会と比べると一歩も二歩も遅れているようで、今でもあまり代わり映えがしません。
プログラミングやダンス、英会話なども最近ちらほら見かけるようになりましたが、まだ市内に数えるほどしかありません。
しかし、最近ではDVDや通信教育も発達してきているので、わざわざ教室に通わなくてもできるものも増えてきました。
こだわりがなく、オーソドックスな習い事でいいのであれば、不自由はしないのかなと思います。
学校はみんな公立に行く
大学だけではなく、私立の小中学校も少ないと感じます。
筆者の子どものころは、ほとんどの子は公立の小中学校に通うのが普通で、私立の小中学校に行っている子は珍しがられ、「あの子のうちは何か違うんだなあ」と感じていました。
「お受験」なんて無いため、塾に通い出すのは高校受験を意識し出す、中学の途中からという子が多かったのですが、それでもクラスメイトの半分もいなかったように思います。
保護者も子ども本人も、競争心は低い傾向にあると思います。
ところが高校になると、この印象は逆転します。
筆者の住んでいる地域では、私立高校と公立高校が同じくらい(公立の方が若干多いくらい)ありますが、偏差値順に並べると、公立高校が上位を独占します。
高校時代は『公立高校に通っている=頭が良い』というのがみんな共通の考え方で、私立高校は「スポーツをしたい人が行く」「すべり止め」といった印象でした。
例外は、市内と近隣の市町村に2校だけある、中高一貫校。
こちらは県内でも有名な「セレブ学校」「頭の良い学校」だったので、こちらは庶民とは違う次元だと思っていました(笑)
田舎では工夫をして教育を充実させている
他の地域のことはわかりませんが、わが町で進学校といえば公立です。
その中でも偏差値の高い学校からは、都市部の有名大学へ進学している子もけっこういました。
進学校では早い段階で進路を考え始め、同じ高校の中でも生徒一人ひとり違ったカリキュラムで授業が組まれます。
大学のように、選択した授業の教室へ移動する、という感じです。
「東京の大学に行って話したら珍しがられた」という話も聞くので、学校の数が少ない田舎ならではの工夫かもしれません。
したがって、田舎だからといってレベルの低い教育しか受けられないというわけではありません。
高校選び、塾選び、そして各自の努力によって田舎からもレベルの高い大学へ進学することは十分に可能です。
まとめ
田舎で暮らすということは、良い環境の中で子どもがのびのび育つという反面、車がないと生活できないことや、娯楽が少ない、教育面での選択肢が少ないといったデメリットもあります。
都会が子育てしにくいとか、田舎なら子育てしやすいとか、そういった簡単なものではないと思います。
「メリット・デメリット」だけを考えて移住するのではなく、「その地域の魅力」を知り、ぜひ『田舎』を好きになって来てほしいと筆者は思っています。
田舎には良いところもたくさんあります。
不便さはありますが、助け合って改善していけるところもあります。
もし都会での暮らし、都会での子育てに不満を持っているなら、ぜひ『田舎』に興味を持ってほしいなあと思います。